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イーペン・ランナーで夜空に舞うコムローイに惑う

チェンマイで行われるイーペン・ランナー(Yeepeng Lanna)で夜空に放たれたコムローイ。幻想的で、とても美しい

チェンマイの見逃せないイベントの一つであり、今日本人観光客に人気なのがロイクラトンの時期に催されるイーペン・ランナー・インターナショナル(Yeepeng Lanna International)であろう。

 

イーペン・ランナー・インターナショナルはロイクラトンと同時期に行われるイベントであるので、ロイクラトンと混同してしまいがちではあるが全く異なるものである。コムローイを上げる祭りを「イーペン祭」とするなら、イーペン祭には2種類ある。イーペン・ランナー・インターナショナルとイーペン・サンサーイである。

 

イーペン・ランナー・インターナショナルは外国人観光客のための催しで、祭りというよりはイベントに近い。海外からの観光客は通常こちらに参加することになる。イーペン・サンサーイの方は地元の人向けのイーペン祭である。

 

イーペン・ランナー・インターナショナル(以後「イーペン・ランナー」)の目玉は、ランタン(タイ語で「コムローイ」あるいは「コームローイ」と言う)に火を灯し、気球のように上げることである。夜空に放たれたコムローイが舞う光景は幻想的でとても美しい。

 

イーペン・ランナーの参加方法

イーペン・ランナーが行われる会場に入るためには、チケットが必要である。このチケットは高額で、1枚USD100(2015年)もするのである。チケットの値段はしょうがない。行きたければ買うしかないのである。ところが、このチケットを個人で手に入れるのは非常に難しい。チケット発売と同時に旅行代理店が買い占めてしまうからである。チケットが入手できないとなると、イーペン・ランナーは旅行代理店が取り扱うツアーで参加することとなる。

 

ツアーには2つの選択肢がある。

  1. あらかじめイーペン・ランナーが日程に含まれている日本発のツアーに参加する
  2. チェンマイまでは個人で行き、チケットと送迎が付いた現地発のツアーに参加する

自分の旅行の日程さえ合えば日本からのツアーに参加するのが楽であるが、チェンマイに長く滞在したい場合や、チェンマイ以外の場所も観光したい場合などは、チェンマイ発イーペン・ランナーのツアーに参加する方が都合がよいだろう。

 

チェンマイ発イーペン・ランナーのツアーは現地の旅行代理店に申し込むのだが、ネットで予約から支払いまで済ませることができるので手続きは簡単である。支払いの際クレジットカードが使用できない場合でも日本国内の銀行が支払先として指定されており、銀行送金の手続きも容易だ。

 

イーペン・ランナーのツアーを扱っているチェンマイの旅行代理店には次のようなものがある。定期的にチェックしてみるといい。ツアーの値段も似たり寄ったりである。

 

chiangmaitravel.jp

chiangmaihappytour.com

 

また、ウェンディツアー(Wendy Tour)やパンダバス(Panda Bus)などの旅行代理店が、バンコク発のツアーを売り出すこともあるので、バンコクとチェンマイ間の移動の手配も一括して申し込みたい時などは便利であろう。

ただし、バンコク、チェンマイ間の移動に関しては、自分で手配した方が安いとは思う。

 

www.wendytour.com

 

【パンダバス公式】タイ・バンコク観光|オプショナルツアー・現地ツアー予約-パンダバス【タイ】

 

www.his-bkk.com

 

イーペン・ランナー、実際の流れ

イーペン・ランナーはチェンマイ中心部からちょっと離れたメージョー大学(Maejo University)の敷地で行われる。ツアー参加者は、チェンマイ市街地からツアー主催者が用意するバスでメージョー大学まで行くことになる。

 

集合時間は時間厳守で!

ツアーの参加者は、あらかじめ集合時間と集合場所が連絡される。集合場所はチェンマイ市内に数ヶ所あるようだが、チェンマイ中心部のホテルに宿泊する人は、3人の王像のある広場を指定される可能性が高い。時間になると広場にはガイドさんが待っており、ツアー参加者が来たかどうかのチェックをする。

 

ここで注意すべき点は、集合時間に遅れないことである。ツアーのバスは道路の混雑を避けるため早めの出発をするが、15分遅れただけで最終的にイーペン・ランナー会場への到着が30分、1時間の遅れとなる場合もある。是非時間厳守で集合したいところである。

 

バスの中でチケットを受け取る

バスに乗り込むと、車内でガイドさんからイーペン・ランナーのチケットが渡される。ポストカードと切手も付いていた。その後、ガイドさんはイーペン・ランナーに関するお話をしてくれる。例えばイーペン・ランナーの時は航空機の運航を中止していることなど。

 

イーペン・ランナー・インターナショナルのチケット

イーペン・ランナーのチェンマイ発ツアーの際、メージョー大学に向かうバスの中で渡されたチケット。ポストカードと切手も付いている

 

会場到着

バスはメージョー大学の観光バス用の原っぱのような臨時駐車場で止まる。ここでバスを降りて2~3分も歩くとイーペン・ランナーのメイン会場に到着する。座席はすべて指定されており、3人一組の座席配置となっている。これはコムローイを上げる時、3人で協力した方が上げやすいからである。もちろんコムロイは人数分、すなわち3つ用意されている。

 

イーペン・ランナーの会場

イーペン・ランナーの会場。3人一組の座席配置となっている

 

お弁当とお土産を受け取る

メイン会場の向かいに、シートが敷いてある一角がある。ここに入るにはチケットを見せるのだが、その際にちょっとしたお弁当と水、そしてお土産がもらえる。ちなみに2015年のお土産は、エコバックと民族衣装を着たタイの子供のアクセサリーであった。お弁当以外にも食べ物が何種類か用意されており、自由に食べることができる。ただし、長い行列ができているので取るのが大変である。

 

ここではタイ舞踊などの催し物もあり、イーペン・ランナーが始まるまでの時間つぶしによい。というよりも、イーペン・ランナーの開始時刻まで時間を過ごせるのはここしかないというのが実際のところだ。

 

イーペン・ランナーが始まるまでの様子

イーペン・ランナーが始まるまでの様子

 

指定された座席に着席

混雑を避けるため、イーペン・ランナーが始まるだいぶ前に指定された座席に着く。しばらくするとイベントの開始となるのだが、ここからが予想外の展開となる。たくさんの僧侶が来場し、その内の1人が式辞を述べる。その後即「お祭り!」というような流れになるのかと思いきや、全く違う。延々と仏教的な儀式が続くのである。そこには瞑想や説法のようなものなども含まれる。

 

仏教の儀式はいいのであるが、さすがに1時間も過ぎると「えっ、まだ続くの?」などと不浄な考えが頭をよぎってしまう。実際のところ、他の観客も早くコムローイを上げたいので、集中力がなくなり、そわそわしてしまうのである。

 

コムローイに点火

儀式が終了し、いよいよお待ちかねのコムローイへの点火が始まる。やはりコムローイを上げるのは1人では難しい。最低でも2人は必要である。同じ3人一組の席となった人と協力しコムローイに点火し、夜空へ放つ。夜空に舞い上がるコムローイの大群は、非常に幻想的だ。

 

イーペン・ランナーも終盤にさしかかると意外なサプライズが用意されていた。花火が打ち上げられるのである。コムローイが花火に吸い込まれるような感じが美しい。花火とコムローイの組み合わせは絶対に見逃せない。

 

宙を舞うコムローイを写真で撮るのは非常に難しい。ぶれてしまったり、ぼけてしまったりするのだが、花火の放つ光のおかげで結構きれいに撮れるのが嬉しい。

 

イーペン・ランナー・インターナショナルのメインイベント

イーペン・ランナー・インターナショナルのメインイベントであるコムローイ点火

 

チケットを入手できない場合の裏技

イーペン・ランナーのツアーは人気があるので、ツアーに申し込もうと思っていたのに売り切れていた、などということは多々ある。チェンマイの旅行代理店でも随時追加販売をするが、最終的にはほぼ完売してしまうようである。

 

それではツアーには参加できないが、コムローイが舞う光景を見てみたいという時はどうすればよいであろうか?このような時は、とりあえずイーペン・ランナーの会場近くまで行ってしまうのである。もちろんチケットがなければ会場には入れない。

 

会場入口でチケットをチェック

イーペン・ランナーの会場入り口でチケットをチェックする人々

 

イーペン・ランナーの会場には入れないが、会場のそばに小さな川が流れており、両側が小さな土手になっている。チケットを持っていない観光客、あるいはツアーに参加していない観光客は、その川の向かい側の緩やかな土手の部分に集まりイーペン・ランナーを楽しむのである。結構楽しそうである。チェンマイ市街地で調達したのであろうか、コムローイを準備している観光客も多い。

 

会場近くの川で見学する人たち

イーペン・ランナーのチケットを持っていない人達が川を挟んだ土手で見学しようとする様子

 

実は、イーペン・ランナーの会場内では仏教儀式が厳粛に行われている最中、川沿いに陣取った観光客が早々にコムローイを上げ始め、歓声が沸き起こっているのが聞こえるのだ。もちろんコムロイが上がっていくのも見えるので、「外は楽しそうだね」などと隣の人と話していた。

 

川沿いで見るのも、それほど悪くない選択肢かもしれない。問題はチェンマイ市街地と会場のあるメージョー大学の間の移動手段である。運転手付きの車やタクシー、ソンテオなどをチャーターしてしまうのもよいであろう。ただし、この時期のチャーター代は通常料金とは異なり、かなりの値上げがあることは覚悟しなければならない。

 

また、一応大学のある場所なので、何らかの公共の交通機関があるはずである。実際、帰りのバスから外を見ていたら、途中にソンテオ乗り場があるようで、そこからソンテオに乗って帰る人たちもいた。公共の交通機関に関してはホテルの人などに聞けば詳しい情報が得られるかもしれない。

 

チケットを持っていなくても、ツアーに参加してなくても、イーペン・ランナーの日にチェンマイに滞在しているなら諦めずにトライしてみるのもいいだろう。

 

 

イーペン・ランナーに関連する特記事項

蚊が出没するので虫よけスプレーを

イーペン・ランナーでは食事は用意されており、水ももらえる。そのため、これらの心配をする必要はないが、意外と長時間に及ぶツアーとなるので、別途飲み物は用意しておいた方がいいかもしれない。また、蚊が出没するので、気になる人は虫よけスプレーを持って行くといい。

 

イーペン・ランナー時のホテルの予約について

チェンマイは宿泊施設が多いので、それ程心配する必要はない。ただし、ロイクラトンの時期でもあるので、通常よりは観光客が多い。また、中国でチェンマイを舞台にした映画が公開された後、チェンマイ人気が高まり、中国人観光客が、通常の日でも非常に多くなった。そのため、とにかく泊れればいいという人は別だが、それなりのホテルに宿泊したい場合は、早めに予約した方がいいであろう。

 

チェンマイの中心部でコムローイを上げる

イーペン・ランナーに参加した場合はコムローイ上げを体験でき、コムローイが舞い上がる美しい光景を真下から見ることができる。それでは、「イーペン・ランナーには行けなかった。だけど、是非コムローイを上げることだけは経験してみたい」という場合はどうしたらよいであろうか?どこかでコムローイを上げることは可能だろうか?

 

ロイクラトンの時期、1日だけコムローイを上げることができる

実は、チェンマイの市街地でも、1日だけコムローイを上げることができるのだ。下記のように、コムローイを上げてもよい日時が告知されている。2015年は11月25日がコムローイ上げが許可される日であった。時間は「午前10時からお昼の12時まで」と「夜の9時以降」となっている。昼間にコムローイを上げる人はいないだろうから、実質的には夜9時以降となる。

 

ただ、この告知は「この日のこの時間にはコムローイを上げてもいいですよ」という優しい許可というよりも、「お前ら、指定された日、指定された時間以外はコムローイを上げるなよ!」という警告に近い。

 

コムローイを上げられる日を告知している看板

コムローイを上げられる日を告知している看板

 

このような警告にもかかわらず、ロイクラトンの時期に滞在したホテルの窓からは、毎晩コムローイが上がっているのを眺めることができた。さすがに指定された日以外はコムローイの数は少なかったが。

 

コムローイを上げる場所

コムローイを上げる場所は、チェンマイ市街地の何ヶ所かで行われていたようだ。私が実際に行ってみたのは、ターペー門付近の広場と3人の王像がある広場の脇にあるワット・インタキン(Wat Inthakhin、インタキン寺)である。

 

ワット・インタキンの前では、少年僧が水に浮かべるクラトン(灯ろう)とともにコムローイも販売していた。少年僧以外にもコムローイ売りがいるので、コムローイはすぐに手に入れることができるだろう。

 

クラトンとコムローイを売る少年僧

ワット・インタキンの前でクラトンとコムローイを売る少年僧

 

ワット・インタキンは小さいお寺で、お寺の敷地も狭い。しかし、夜11時を過ぎてもコムローイを上げようとする人々でにぎやかであった。

 

コムローイを上げる際に注意しなければならないのは、1人で上げることは無理だということである。最低でも2人は必要だ。もし1人で行った場合は、周りの人に声をかけて手伝ってもらわなければならない。また、コムローイを上げる前に着火しなければならないので、ライターなどを持って行った方がいいだろう。ただし、マッチでは厳しいと思う。

 

ワット・インタキンへ行った後、ホテルに帰る途中ターペー門にも寄ってみた。さすがに夜遅かったのか、ターペー門はワット・インタキン程のにぎわいはなかったが、数組のカップルがコムローイを上げていた。

 

イーペン・ランナーで無数のコムローイが上がる光景を見るのもいいが、コムローイが1つだけ夜空に上がって行く光景もいいものである。コムローイが上がるにつれ、だんだんと小さくなり、まるで暗い夜空に吸い込まれて行く様に、なぜかわびさびを感じてしまう。

 

イーペン・ランナーに行けない方は、チェンマイの中心部でコムローイを上げてみるのもいいのではなかろうか。

きっと旅のいい思い出になるはずだ。

 

チェンマイ市街地でコムローイを上げる人々

チェンマイ市街地でコムローイを上げる人々